「おじいちゃんが聞かせてくれた話」ではないので安心召されよ。
ある病院のナースステーションの前で車椅子に乗ったおじいちゃんがいる。
そこで飯も食ったりしてるので、おそらく何かと介助が必要な人なのだろう。
「看護婦さん、おねがいします。部屋へ戻してください。部屋帰りたい。」
ず〜っとゆうてる。"壊れたレコード"って表現はこの人のためにある。
看護師さん達は全員シカト。
(どないなっとんねん!)
と思いながら様子をうかがっていると、見かねた看護師さんがやって来て、
看 「◯◯さん、今日リハビリやからね、もう少ししたらお迎え来るからもうちょっと待っててね。」
爺 「あぁ。今日はリハビリかぁ?」
看 「うん。もうすぐやからね。」
ーーーーー2分後ーーーーー
爺 「看護婦さん、おねがいします。部屋へ帰してください。」
あぁ、だいぶ
アルツハイマってはるんやね。別の日バージョン
爺 「看護婦さん、おねがいします(以下略」
看 「ん?お部屋に帰りたいの?」
(お! 念願かないそうな予感)
爺 「うん。ベッドで横になりたい。」
看 「ん〜 横になるのはあかんよ〜。」
「望みが絶たれる」と書いて「絶望」おそらく床ずれ防止とかそんな理由だと思う。
このおじいちゃんを脳内メーカーで見てみると99.99%が「部屋に戻りたい」で埋め尽くされる訳だが、たまに違う欲求を口にする。
爺 「看護婦さん、おねがいします。もう1杯だけ水を飲ませてください。」
何その北斗の拳。さんざん「部屋に帰りたい」を連呼したあとで「水が飲みたい」と言ったところで既に誰も聞いちゃいないですぞ、ご老輩。
しばらくして彼がなんか違う事を言ってる事に気づいた看護師がやって来て
看 「どうしました?どこか痛いですか?」
(よかったね。水くらいいくらでも飲ませてくれるよ。世紀末救世主伝説じゃないんだから。)
爺 「うん。この辺が痛い。」
うそつけ!!!!!「水を飲みたい」という生命の根幹に関わる欲求すら瞬時にして忘れてしまうおじいちゃん。
明日はどっちだ!!