2007年1月14日日曜日

酔態

駅で電車を待っていたら、オジサンに話しかけられた。
いきなり「今日は昼間は暖かかったね」と言われた。
「歳を取ると小便が近くてね」
は な し バ ラ バ ラ や な い か き み 。
この人大丈夫か? と思いつつ程よく受け応えしていると、どうやら酔っているようだ。
オジサン曰く、「女房に成人用おむつを履かされてね」
笑顔で言うな。
御歳60だそうだ。そんなもんかねぇ。
「若い頃は飲んでても1時間くらいは"クッ"と我慢出来たんだけど…」
ボクならすぐにトイレいきます、とは言えなかった。
勝手に想像するに、女房に履かされたオムツが今日も役に立ってしまった事へのそこはかとない寂しさ、 と言った所か。
だからと言って泣き上戸的に絡んでくるでもなく、愚痴っぽくもなく、程よい笑顔で話す。
根本は大体いい人なんだろうな。
わちをが「最近は尿漏れを抑える薬とかありますよねぇ」と言うと、
「いや、薬に頼っちゃおしまいだと思ってる」とオジサン。
オレならオムツの前に薬に頼るけど…
価値観の相違におののいているうちに特急がやって来て、「じゃぁ、ごめんね!」と彼は去っていった。
わちをの心を爽やかな風が吹き抜けて行った…というのは真っ赤な嘘だが、特に嫌な感じはしなかった。
どうせ酔っぱらうならあんな感じがよいな、と思った。

後日、彼が同じように若人に話しかけた時、「うっせぇジジィ!」とか言われてしまわない事を願うばかりだ。


あっ、若人って事もないか、オレ。

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